この国の人口減少はどこまで進むのか。今年の出生数がついに70万人を割り込む可能性が現実味を帯び、社会に大きな衝撃を与えている。
しかし驚くべきことに、この深刻な状況にもかかわらず、多くの日本人は「人口減少が引き起こす真の影響」を正しく理解していない。
100万部突破のベストセラーシリーズ最新作『未来の年表 業界大変化』では、製造・金融・自動車・物流・医療など主要産業に迫る大変革を可視化。人口減少という難題を乗り越えるための具体的な解決策を示している。
"知っているつもり"の危険な認識不足
日本が少子高齢社会であることは誰もが知る「常識」だ。だがその実態を正確に把握している人はどれほどいるだろう?
筆者は仕事上、国会議員や官僚、地方自治体首長、経済界リーダーと接する機会が多いが、驚くべきことに政策決定に関わる彼らでさえ正確な理解を持ち合わせていない。
地方創生担当相だった山本幸三氏は2016年の就任会見で「少子高齢化に歯止めをかけ」ると発言した。しかし現実には、「少子化」そのものを止めることは不可能だ。仮に合計特殊出生率(女性1人が生涯に出産する子供数の推計値)が改善しても出生数増加にはつながらない(理由は後述)。
"局所的な成功"に潜む落とし穴
地方自治体からも現実を見誤った発言が聞かれる。関東のある都市では「子育て支援策で近隣から転入者が増え、小学校校舎不足に悩むほど」と誇らしげに語る幹部職員に出会った。
別の地域では財界関係者が「20万都市構想達成のために都会からの移住者獲得策を知りたい」と相談してきた。これらはいずれも典型的な認識不足と言わざるを得ない。
"全体像"を見失う日本の危機
今必要なのは国全体を見据えた長期的視点での政策構想である。
※本記事は河合雅司『未来の年表 業界大変化』より抜粋・編集したものです。
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